算命学余話 #U67

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算命学余話 #U67 (page 1)

 毎度算命学余話をご購読頂きありがとうございます。前回の余話#U66はやはり関心の高い話題だったとみえて、未だかつてない勢いの売れ行きでした。普段買わない人までお買い上げ頂いたようで、嬉しいような怖いような。でもお蔭で陽占だけでは判断できないとか、陰占だけでも片手落ちになるとかいった、これまでくどくどと繰り返してきたことが、実例を挙げることでよりはっきりご理解頂けたかと思います。
 たった1つの星を見たところでどうにもなりません。調舒星や龍高星が1つあったくらいで大騒ぎしても騒ぎ損になるだけです。算命学がなぜ陰占と陽占に分かれているのか、そもそもの所以を考えてみれば、算命学が技法の一部に偏らない宿命全体の総合判断を目的としていることは容易に想像がつきます。
 特に算命学を学んでいるわけではない依頼人の方々は、どこかでご自分の宿命を文字列としてだけ算出してもらっても、結局その意味を正しく読み取れずに「自分は運がない」とか「自分は早死にする」とか早とちりをしていることが多く、こうした理由から私は運勢鑑定をお受けする際の技法に関する質問はお断りしているのです。いちいち解説するとしたら、たった1つのテーマであっても前回の余話のようなボリュームになるのですから、宿命全体を解説するともなればきりがありません。ですから依頼を受ける際には、依頼人が何に悩んでいるかテーマを絞ることが必要なのです。悩んでもいないことを事細かく分析しても効果は薄く、それよりも問題解決の決め手が何なのかを探すことのほうが急務なのです。
 
 依頼人との折衝に関するノウハウはまた別の機会に述べるとして、今回のテーマは引き続き宿命の実例を挙げてみます。ちょっと立て続けになりますが、往年の映画スターが先月83歳でお亡くなりになり、その人生を綴った特番なども連日放送されましたので、私も含め比較的周知された人物としてイメージしやすいかと思います。映画関係者の間では絶賛されている人で、皆さん口を揃えて優しい、誠実、寡黙、お侍さん、気配りの人、といった日本の美徳を体現しているような形容詞が並び、一体どんな宿命の人なのだろうと鑑定する側としても心浮き立つものがありました。
 ところが、算命学というのは本当に善悪は論じないもので、この人物が世間で語られるような高潔な人物であったかどうかは、宿命からは素直に読み取れなかったのです。これは前回余話#U66の事例も同じで、この宿命であったら全員同じ末路を辿るかというと、決してそうではない。それまでの人生を実際に歩んだ軌跡というものが大きく作用し、その生き方や他者との係わり合いによって幸にも不幸にも転んでしまう。今回の俳優さんもその例に洩れなかったというわけです。ファンの方にはがっかりな内容になるかもしれませんので、がっかりしてもいい方のみご購読下さい。
 
 もっとも、かくいう私もこの俳優さんが主演の映画というのはほとんど見たことがありません。世代的に仕方ないのですが、恐らく一番最初は子供の頃に見た『南極物語』で、しかしこの映画は人間より犬が主役だったので髭に覆われた俳優たちの顔など全く記憶に残っておらず、最近の追悼番組でやっと認識したくらいです。要するにファンではありません。任侠映画の頃はまだ生まれていないし、その後の大人向けの人間ドラマ映画も追悼番組で知った程度。映画スターとしての矜持からテレビドラマには出なかったというし、プライベートも守り続け、人との出会いを大切にし、別れた妻以外に浮いた噂もなかった人でした。今どきいるんでしょうか、こんな人。
 ところが、そうした追悼番組を見るにつけ、私はこの人にあまり良い印象を持たなくなった。宇宙人流のナナメな物の見方のせいでしょうか。どうもしっくりこないのです。実際に接した人々が称賛する姿と、数少ない本人のインタビューや撮影現場などでの生の言動から感じられる人物像が一致しない。
 算命学では、実際に接した人とそうでない人とでは印象が変わるという事象を認めているので、その例に当たる人なのだろうかとも思ったのですが、それとは別に、鑑定結果は非常にドライな結論を出してきたので、そうした面について考察してみます。
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