算命学余話 #U63

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算命学余話 #U63 (page 1)

 党内外から一般世論に至るまで幅広く物議を醸した集団的自衛権の行使に関する強硬的な閣議決定がなされたのは、ほんの数カ月前のことです。なぜこの時期に安部首相はこのテーマを急いで進めたのか。近日中に米国がどこかの国を攻めるからその前に決めておけと米国政府の圧力でも受けたのかと、いろいろ良からぬ想像をしないでもありませんでしたが、果たして米国は間もなくイスラム国を目標とした空爆を開始し、次いで西欧諸国や豪州も参戦しました。
 日本はというと、なんと例の閣議決定を急いだお蔭で、日本に「直接脅威を及ぼす恐れ」のない戦闘には加わらない条項に基づき参戦を妨げる歯止めとなり、いつだって自分の政権の人気取りのために戦争を始める米国の無意味な殺し合いに参加しなくて済んだのでした。確か安部さんの目論見ではより戦争をやりやすくするための決定だったのに、結果的により平和を推進する決定をしたことになってしまった。有難いことです。
 
 安部さんは他にも、拉致問題解決のために積極的に動いているようで、結局北朝鮮に足元を見られるような後手対応に回っているとか、北方領土問題解決を進めたいのにウクライナ情勢が原因で結局米国の顔色を窺わなければプーチンも呼べない状況であるとか、女性活用で登用した大臣が二人同時に辞任するとか、後任大臣のSMバー発覚とか、何だかやることなすこと目的とは反対の方向へ流れてしまう事態が続いております。
 この指摘はムネオとマサルのトークショー(=東京大地塾)から引用しておりますが、安部さんの行動のことごとくが意図から大きく外れてしまうのはなぜなのか、という点については理性や理屈では量れません。しかし算命学の見解を借りていうならば、これはひとえに安部さんが宿命中殺だから起こる現象なのです。
 
 既に余話やブログで何度か説明している通り、宿命中殺とは生まれながらにして天中殺を受けている人のことで、ざっと人口の1~2割と少数ではありますが決して珍しくはない命式です。中殺をやりすごす賢い方法についても既にどこかで解説したので繰り返しませんが、中殺を受けているからには、宿命中殺であろうと後天中殺であろうと、頭を低くして足場を固め、動き回ったり飛び跳ねたりしない態度が有効です。
 中殺中は暴風雨で頭上を瓦や木材が飛び交ったり、噴石がバンバン飛んでくるような状況だと理解して下さい。こんな時は身を低くして頭を守り、じっとして嵐のピークを待つのが賢明です。下手に動き回ると命取りにもなりかねません。嵐も噴石も、しばらく待てば止みます。尤も、宿命中殺の場合は、生きている間じゅう嵐と考えても間違いではありませんが、こういう星の下に生まれるともうちょっとやそっとの嵐くらいでは驚かないもので、余人が怯むような危険な戸外を平然と、しかしヘルメットなど防備はしっかり備えて仕事に出て行くものなのです。要するに慣れてしまっている。宿命中殺の強みはここにあるのです。
 
 宿命中殺が気の毒だとするならば、それは本人が意図するような方向へ事態が進まないというところです。本人は西に向かっているのに、どう道を間違えたものか、北へ出たり東へ戻ったりしている。間違いを検証し、再び出発しても、やっぱり違うところへ着いてしまう。つまり安部さんはこれなのです。
 安部さんは最初に首相になった時に経験値を高め、結果は失敗に終わったけれど、二度目に出てくる時にはちゃんと前回の間違いの検証をしたようです。だから同じ失敗はしないよう配慮して動いていますが、この配慮が思うように効果を上げないのは、彼の力が足りないというよりは、宿命のせいだと私は見ています。
 本人が原因か否かに拘わらず、彼の意図はことごとく外れる。しかし外れたことで我々国民が今回の米軍の空爆に参加せずに済んだなど、よい結果となることだってあるのです。だから安部さんが悪い首相だとは言えないし、中殺のない人物が首相になったからといって安心もできない。宿命で人生や人格の良し悪しは量りがたいということは、算命学の鉄則でもあります。
 
 安部さんは現役だし、今後の政治活動でまだまだ評価は変わるでしょうから、彼の宿命を論じるのはこの辺にしておき、引退した人を見てみましょう。前回の余話#U62ではスポーツによる宿命の消化を取り上げてみましたが、今回は最近引退会見をしたフィギュアスケート選手にスポットを当ててみます。
 彼の引退会見については、「完全引退を否定しどっちつかずで煮え切らない」などの批判もありましたが、どうして中途半端な決断を公に表明しなければならなかったのか、宿命から読み取れるものがあります。また彼を育てた三人の女性からそれぞれ言葉がありましたが、女性のみならず周囲から愛され支えられた彼は、中高生の頃にはもう周囲への恩返しをどうすればいいかについて先生たちに尋ねています。この若さで恩返しに考えが及ぶというのは、経験ではなく天性のものです。その所以が宿命に現れているので、部分的ではありますが、命式の解説を試みてみようと思います。
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