算命学余話 #U56

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算命学余話 #U56 (page 1)

 69回目の終戦記念日です。日本においては平和の時代が還暦を経過して九年目になりました。60年を干支の一巡りとする算命学では、60年毎に同じ性質の年干支がやってくるため、世相もまたそれを追いかけるように似たような様相を示すと考えていると同時に、60年間不変のように見えた価値観や常識、善悪の区別といったものが転倒する契機だとも考えています。
 戦争を肌で知っていた世代が社会の中枢だった頃の日本は高度成長期であり、経済や労働という分野に移行したとはいえ何となく戦闘モードが続いていた。卑近な例で云えば、アニメは「宇宙戦艦ヤマト」がヒットを飛ばしていた時代で、子供の頃の私は内容はよくわからなくとも制作者の世代の使命感や美意識のようなものを汲み取ってカッコイイと思って眺めいていたものです。
 しかし近年リメイクされたヤマトを見ると、やはりもう価値観が随分離れてしまい、現代アニメの最新技術やスタイルを採り入れた力作だったにも拘わらず視聴者に昔ほどの感動を与えなかったのは、やはりストーリーとして主人公らの目指す目的が現代人の関心事と重ならなかったことが大きかったのではと思います。今の時代は困難を乗り越えるために我慢したり努力したりしても、思うような結果を得られないどころか共感すらしてもらえない時代ですから、そうした単純な我慢や努力が報われないという視点を盛り込んだ内容でなければ視聴者がリアリティを感じられず、感情移入も難しい。

 尤もヤマトのリメイク版とほぼ同時期に、戦艦が少女の姿をしているアニメが登場しており、よもや戦艦がこのような捕えられ方をする時代になったかと驚くと同時に、こんなアニメを子供時代に見てしまった世代がもしも本物の戦争に赴く事態に陥ったら、それまで頭を占めていた仮想世界と目の前の現実をうまく整合することができるだろうかと心配になります。心配なので、今後も戦争は是非とも回避したいのですが、算命学の陰陽論では平和一辺倒というのも成り立たないので、いずれ陰陽が入れ替わる時が来ると考えられます。平和の反対は戦争と考えるのが一番判り易いですが、戦争でなければ「極度な貧困」や「理不尽な死」といったもの、要するに不安定な世相がこれに当たります。そして不安定な世相だからこそ大活躍する宿命の持ち主もまた存在することを忘れてはなりません。彼らはこの69年間、不遇をかこった人たちなのですから。

 さて前回の余話では十二大従星の陰陽の区別の仕方と、その陰転・陽転の仕組について簡単に説明しました。星の陰転・陽転については十二大従星の陰陽論と、以前#U25で解説した十大主星の純濁論の二種類ありますが、いずれも共通しているのは、陰転・陽転する契機が守護神や忌神に懸かっていることです。その名称からして守護神の方が有難く、忌神は忌避したいものと考えがちですが、そうとは限らないことは前回でも述べました。守護神が回ってきた方が発運する人と、忌神がめぐって来た方が発運する人と、両方いるのです。
 そしてこれもまた字面で惑わされ易いですが、忌神がめぐって来ると発運する人は悪人だ、という理屈もありません。我々の正義は陰陽の狭間にあって実に曖昧で、仮に国家という大なる社会が定める正義に納得いかない人があっても、その人が即悪人であるとは判断できません。国家が大いに間違っていた事例は歴史上いくらでもありますし、今でもあるのですから。算命学は善悪は論じず、その人の宿命にある星々が輝けるか輝けないかだけに着目しております。

 その輝きの是非を占う守護神と忌神の判断がビギナーには危険であることは前回お話しました。くどいようですが算命学は陰陽のバランスの科学ですから、日々変転する後天運によってその人の宿命は陰に振れたり陽に振れたり、一様ではありません。今日は丙が守護神だった人が明日は癸が守護神になるということはしばしばあるのです。忌神もまた然り。だからその辺りのバランス感覚が備わっていない人が守護神を論じるのは危険だと警告するのですが、ではそもそも守護神がそのようにフラフラとさまよう原因は何であるのか。
 今回は試しに春生まれの甲の守護神を採り上げて、その理屈から守護神の捉え方について理解を深めてもらおうと思います。春生まれとは月支が寅、卯、辰の宿命のことです。日干が甲で春生まれの宿命の人の守護神を解説しますが、上述のように守護神の扱いは見誤ると真逆の結果となってしまう危険性があるため、敷居の意味で購読料を若干引き上げます。ご了承下さい。評判が良ければ、その後連載します。
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