算命学余話 #U42

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算命学余話 #U42 (page 1)

 算命学の考え方は、ある意味天邪鬼というか逆説的なものが多いです。例えば禄を司る禄存星・司禄星は共に相手を剋して奪う性質でありながら、同時に愛情深さも備えています。まるで飴と鞭です。商売というのは売り手でも買い手でも相手から奪ってばかりだと、相手を怒らせて去らせたり疲弊が嵩じて死なせたりするので、奪い続けるために生かさず殺さずの絶妙のバランスを取り続けるのが商売の秘訣です。同様に愛情もまた、飴ばかり与えると助長するし、鞭ばかりでも逆ギレされて危険を招くので、飴も鞭も塩梅よく振りかけるのが上手な愛情操縦術だというわけです。

 また知を司る龍高星・玉堂星を採り上げてみても、これら知性星があれば成績がいいとか試験に合格するとか考えるのはあまり的を射ておらず、本当に賢い人は実はホームレスに多かったりします。本当に賢い人というのは人間社会の矛盾や不条理がよく見えるので、そんな社会に順応するのが馬鹿らしくなってドロップアウトする可能性が高いのです。
 もし龍高・玉堂の性質が子供の頃から顕著に発現すると、その子供は成績がいいかどうかよりも反抗的な性格となります。それは親や先生ら大人たちの無知や未熟や、無知を隠してごまかそうとする不誠実を看破し、それを見て見ぬフリをするのは正義にもとると考え、果敢に糾弾するからです。もちろん子供はまだ人を糾弾できるほど理論武装できていませんから、表面的には単なる反抗的態度として非難を浴びることになるのですが、算命学はこういう子供はその高い知性に相応しいもっと優れた大人に教育させるべきだと考えています。無知で未熟な大人たちに囲まれて育つ知性星は、その輝きをくすませ非行に走ります。非行に走るのは子供が悪いのではなく、よい手本になれない親や先生の人間としての出来が悪いのが原因なのです。

 さて、これまでは比較的説明のしやすい禄と印(=知)について採り上げることが多かったですが、今回は寿と官についてその相剋関係から考察を試みてみます。寿は鳳閣星・調舒星、官は車騎星・牽牛星です。関係は火剋金と相剋で、この相剋が人体図にあると「生殺局」や「殺局」といった局法に該当することになります。この2つの局法の相違点を比較しながら、火剋金が人間に及ぼす性質について考えてみます。特に寿は生命、健康を表すと同時に子供も意味するので、或いは上述の非行の例と同様に子育てに役立つ何らかのヒントを与えてくれるかもしれません。
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