算命学余話 #U38

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算命学余話 #U38 (page 1)

 オリンピックでメダルをとるとその人のプロフィールが特集番組になって連日報道されたりします。テレビ局としては視聴率を上げるためにその人のこれまでの軌跡が波乱万丈である方が望ましいわけですが、折しもゴースト作曲家の事件もあったことだし、さすがにありもしない事実をでっち上げることはしないものの、何らかの不運や不幸を見つけるとそれを大きく取り上げて視聴者の関心なり同情なりを惹こうとする。そして五輪出場なりメダル獲得なりで「話が完結する」ように番組を結ぶのです。
 しかし算命学では人間は死ぬまでが人生であり、メダルを取ろうが世界一になろうがそれは通過点にすぎません。その後の人生は長く、どの時期にどういう通過点を踏んだかで人生の風景は変わってきます。同じ生年月日の人間が違った人生を歩むのは、この通過点つまりは道程が異なるからです。
 そしてその道程や通過点が他者の目には輝かしいものであったとしても、本人にとって幸運であったかどうかは、最終的に臨終を迎えるまで判然としない。自然思想に基づく算命学が考える成功した人生とは、持って生まれた能力やエネルギーを過不足なく発揮できた人生であり、その結果苦痛のない安らかな自然死で終わることを以ってその人の人生を幸運と呼ぶのです。事故死や老衰以外の病死、自殺、他殺で終わる人生は、生前どんなに成功したように見えたとしても、算命学では成功した人生とは呼ばないのです。

 しかしそうした横死は何の役にも立たないかというと、決してそうではありません。これまで余話で触れてきたように、人間は主に近親者と運勢のやりとりをしており、それは家庭内の助け合いであり、パイの奪い合いでもあるわけですが、人は横死すると本来死ぬまでに使い切るはずだったエネルギーを残したままになるので、そのエネルギーは大抵の場合近親者に引き継がれることになります。大体子供か兄弟に引き継がれますが、宿命によっては近しい他人が引き継ぐこともあり得ます。
 宿命的なエネルギーは人によって分量が違いますが、生まれた時に持たされたエネルギーは、人間ひとりが自己消費できる分量だと考えられています。自分という自動車に一生を走るだけのガソリンを積んでいるようなものです。近親者が横死するとその余ったエネルギーをもらう人が現れるわけですが、これが幸運か不幸かは自動車の性能とドライバーの腕が明暗を分けます。性能や腕がよければガソリンは人並み以上にあるのでレースをぶっちぎることができます。しかし悪ければガソリンの重みに耐えかね、エンコし、ガソリンが最初の分だけあった時の方がよかったという結果になります。

 算命学は概ねこういう例え方をされますが、こうした視点から五輪を眺めると、選手の特集番組からも見て取れるように、近親者に不幸のあった人というのは栄光を掴みやすいです。栄光というのは金儲けより難しいことです。栄光は名誉ですから金性の領分であり、木火土金水の第4番目に位置し、3番目の土性=財運より向こう側にあります。つまり絶対数が少ないので、持って生まれたガソリンだけでは容易に到達できず、死とは限らないまでも近親者の犠牲によって本来以上の実力を出さなければ獲得できないのです。
 そういう目で残された五輪の種目を眺めると、誰がメダルを取りそうかは何となく見えてきます。仮に近親者に犠牲がなくても、本人が病気と闘っていたとか、自分自身の一部を犠牲にしていた人は、ここぞという勝負に強いです。ただし、最初の話に戻りますが、今回の勝負に勝って栄光を手にしたからといって、その後の人生が保証されるわけではありません。栄光を手にしたことによる突出した運勢が、今度は逆に将来の自分や近親者の不幸を呼ぶこともあるからです。一人勝ちという事態は算命学ではありえないのです。

 さて今回のテーマは前回の内容を一部引き受けて、星の偏りについてです。陽占では十大主星の座は五カ所あり、星の種類もまた五行の五種類(陰陽入れて十種類)ありますが、この五種類が全てそろっている人は稀で、大抵は3種類前後に偏っています。稀に1種類という人もありますが、偏っている人とそうでない人の違いは何かということについて考えてみます。局法の一つである「鳳蘭局」も例に挙げてみます。
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土星の裏側
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