算命学余話 #U33

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算命学余話 #U33 (page 1)

 流行語大賞にも選ばれた「今でしょ」の林修氏が単なる一発芸人まがいでないことは、珍しくも各メディアが率直に伝えています。単なる予備校講師でもなく、一思想を持つ教育人だということはその言動からよく判るのですが、その彼が勉強の仕方について「勝てない科目で努力してもリターンが少ない」と今どきの表現をし、どうせ努力するなら勝てる分野に精力を注ぎ込めと、受験に限らず的確な人生指導を述べております。

 算命学はこの考えに賛成です。全科目が得意という学生はほんのわずかで、多くの学生はその人たちと張り合っても勝てないけれど、1科目か2科目くらいなら勝てるかもしれず、実際に人の才能というのはそうしたものです。全種目にエントリーする必要がないのなら、勝てる種目に絞ってそこで勝てばいい。はっきり云ってほとんどの宿命に甲乙の差は大してなく、その人が開運するかどうかは、得意分野に注力してここなら輝けるという場所を確保できたかどうかに懸かっています。
 前回の余話では「宿命によって変えられるものと変えられないものがある」と述べました。そして変えられないものとは個性であるとも。人はそれぞれの個性を活かす方向へ進めば開運し、その道を閉ざせば人生が行き詰るのです。

 時々勘違いされる方もおりますが、陰陽五行説のいう五徳(福寿禄官印)の才能や欲求というものは、誰もが備えているものです。人体図に魅力星がないから財運がないとか、伝達星がないから表現が下手だということはなく、五徳は誰もが持っている。ただ分量や割合が人と違うだけで、もっと算命学らしく云うなら「活用方法に差が出る」という表現が当たっています。
 魅力星ならば、魅力星のある人の方がない人より財(或いは人気)の活用を「意識的に」できるか、するようになる、というニュアンスが近いです。逆に星のない人はそれを「無意識に」やるので、それが財なり人気なりを集めるかどうかは問題にならず、結果として鑑定者はその星を鑑定しない。本人が意識的に運用できないものをあれこれ助言しても意味がないからです。(本人が意識的に運用できないという点では、天中殺を受けている星についても近い意味があることは、算命学学習者には気付いて欲しいです。)
 従って、算命学は林氏と同様に「使える星の有効な使い方」を奨励しており、本人がいかに渇望しようとも見込みのない分野なら「それはリターンが小さいですよ」とグサリと伝えて諦めさせる方向へ導くのが良心的な鑑定者の態度です。まあ本人がどうしてもやりたいならやって下さい。鑑定者はそこまで強いる権利も意欲もありません。

 林氏が算命学を知っているとは到底思えないし、そもそも占いなんか全然信じない人かもしれない。それでも見つけた真理は同じです。このように算命学や占いに頼らなくても人は真理を見つけて立派に生きることができるのであり、それができる人は自然に逆らわない生き方をしていると、算命学では考えています。シベリアのデルスもまたそういう人なのでしょう。
 逆に算命学に答えを求めなければ不安だという人は、自然が与えてくれた宿命に逆らって生きている可能性が高いです。そういう人は不安だけでなく不満も多い。自分だけが損をしていると思い込みがちで、その理由を算命学の理論の中に見出そうと必死になる。こういう算命学の使い方はあまりお勧めできません。波に逆らって泳いでいる自分を自覚するためのツールとしては有効ですが、そもそもの波の流れを変えてでも真っ直ぐ泳ごうと方策を探るのは、無駄な努力というものです。それよりは林先生の言うように勝てる科目、つまり流れに沿った泳ぎをする方へ舵を切った方が賢明です。人生の時間は短いのですから。

 さて今回のテーマは以前予告しておきながらそのままになっている、読者の方からの要望もあった、非嫡出子の扱いについての考察です。尤も、嫡出子の権利というと裁判用語になってしまい、近代的な価値観に縛られてしまうので、紀元前に確立していた算命学の考え方と整合性を見出すのは実は難しいです。現代人は既に算命学的な古代の価値観からは遠のいている感が否めず、この論を展開しても賛成頂けるかどうか疑問ですが、あくまで考察ということで、今年最後の余話を締めくくらせて頂きます。
 今年は非嫡出子についての司法判断が続きましたが、奇しくも60年前の新生児取違え事件が明るみに出て話題になりました。事件の当事者が記者会見で自分の生年月日を公表していたので、宿命を出してみたところ、ちょっと珍しい例だったのでこれについても少し考察を加えます。有料鑑定のように丸ごと鑑定した結果は出しませんが、蔵干について考えるのに有効なので、その辺りを知りたい方には参考になるかと思います。
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