今回は、前回と絡めて冲動の話から散法について論じます。
冲動はすべての十二支に必ずあるもので、その十二支から六つ先の相手、時計に直すと180度正対する位置のものが冲動相手となることはお話しました。冲動の関係は「正面衝突」を意味し、散法の中でも最も激烈な衝突現象を起こします。
しかし冲動を筆頭とする散法は、本当に災いしか意味しないのでしょうか。いいえ、算命学は基本的に良し悪しを論じないので、散法が悪いとも冲動が怖いとも何とも言っておりません。はっきりしているのは「散法は散じる現象を起こす」ことと「冲動は衝突現象を起こす」ということだけです。ではこれが実際の宿命や後天運にどのように作用するのか、考えてみたいと思います。
そもそも散法(さんぽう)というのは、宿命における三つの地支(日支、月支、年支)がそれぞれ後天運も含めて刑・冲(冲動)・破・害のいずれか或いは複数の組合せになることをいいます。このため散法を別名、刑冲破害法(けいちゅうはがいほう)と呼ぶこともあります。また散法の反対である合法は、散ずるの反対、つまり地支を合わせる現象を司り、合法と散法を合わせて「位相法」と呼びます。鑑定においてこの位相法はとても重要で、宿命内はもちろん、次々とめぐっては消える後天運がどの地支にどう影響を及ぼすかを読み取る能力が、鑑定者の力量を左右します。