憲法序論

第2章 戦争の放棄 ( 1 / 1 )

第9条

社会民主党 福島瑞穂 氏 が、小泉政権時代にアメリカ軍イラク戦争派兵師団への給油活動を自衛隊が行った際に 国会にて「戦争放棄」を強調したことは有名ではあるが、安全保障条約の範囲内で実行したとする見解と相違がある。 自由民主党は、終戦によるGHQからの英文の翻訳によって施行された現行憲法は改正すべきとの主張をしている。 自衛隊の存在により、一部失効している条文であるとされているとするが 近年の「一票の格差」が発生している事実からなるように、自衛隊を軍隊と認識できない要素があることから 法秩序による解釈では自衛隊が違憲と決するべき事件は発生していない。 交戦権が行使された場合は、刑法による私戦の罪として扱われる。 単純に考えれば、当時の連合軍 現在の国連平和維持軍への降伏条項とも受け取ることができる。不戦条約を尊重した憲条とも受け取ることができる。 しかしながら、第9条のみでことを論じることは危険であり。憲法の他の条文をすべて解釈したうえで総じて論じるべきものであり、現状の司法制度だけでは法益を下すことができない条項でもある。護憲連合(護憲団体)という政治団体がその法益を監視しているとも言える。 武力の威嚇行使を伴わない正義と秩序を基調するべく、経済界の倫理感による要素にも重点が置かれている。

事実、日本国の国権の発動たる戦争を放棄する規定であることは間違いないが、憲法前文に「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて」とあるように、日本が他国の国際紛争の影響を受けた際の自衛権についてさまざまな議論がなされている。

第3章 国民の権利及び義務 ( 1 / 1 )

第10条~第40条

国民の要件と権利義務について定められている。国民意識の有無に関わらず国籍法基づいての扱いが定められている。一部の人を優遇したり差別したりといったことがなく平等であること、参政権と請願権、国政に人の本質を尊重する必要性があること、表現・言論・信条などの自由が保障されることなどが書かれている。

概ね、国家や政府や国政が存在することによって人の本質そのものが侵害され否定されたり制限を受けないようにする内容であるから、公と福祉についての認識が必要である。たとえば、インフルエンザなどの疾病への検診は無料で受けることが出来るのが何故なのかという認識を理解できるかが初歩だと思う。

第3章について書くだけで、何冊でも無限に本が書けそうなほどだ。

 

誰にでもわかるように、国民の権利と義務を説くとすれば。人間として生きる権利、が誰にでも存在すると言えばわかりやすいかもしれない。誰でも人間として生きれるようにする義務 が誰にでも存在する責任と言えば、わかりやすいだろう。この権利と義務は、先世から後世にわたって引き継がれていく営みである。

第4章 国 会( 1 / 1 )

第41条~第64条

第4章では国権の最高機関としての国会について書かれている。第2章の基本的人権を維持しながら政府と国家主権を存在させるためには、議員は代表者としての身分であり特権などを持つこととなりえない(刑法第200条の削除理由同上)。ある意味で社会主義思想からみれば途上国の政府制度を思わせる構成ではあるが、人類普遍の法則にかかる原理に基づく確立された立法制度である。唯一の立法機関と定められているが、国籍いかんを問わず招致されれば誰でも参加できることになる(第62条)ので閉塞した立法制度というわけではない。官職を招致し参考意見を述べて議決をえることができさえすれば行政立法も不可能ではなく、通常は行政立法や政府立法については行政権を属させる内閣から法案提出となる。

 

第5章 内 閣 ( 1 / 1 )

第65条~第75条

内閣が行政権に属するわけではなく、行政権が内閣に属するようだ。内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならないとする趣旨からすれば、天皇に被選挙権が認められた場合でも国事行為への制限があるのだから、天皇の入閣は認められないと思われる。

政党制を導入している場合、与野党にわかれるので。内閣は与党議員によって構成される。内閣を与党構成してしまうと、場合によれば立法府に行政権が属す格好となり三権分立に不整合を生じさせる。そのため、地方自治体や独立委員会、独立行政法人などを設けることにより行政権自体を分権させることによって均衡を保っている。この総理大臣の椅子取り合戦は、あまりよいことではなく。国家予算を決める時に、本予算を必要以上に計上し執行させて立法府与党が行政権を掌握しようとする場合が想定される。本来であれば、立法府が行政権の越権行為を食い止めるために、本予算はできるだけ少なく計上して都度に必要補正予算を組むべきである。

国会議員には国政調査権が認められているので、内閣官房の事務により調査権を比較的容易に行使できる。近年は行政刷新会議などによって国政調査権を行使する気運が高まっているが、不必要に予算削減にこだわる風潮があり、東日本大震災の際には原子力事故への防災費が削減されていたという不祥事が発覚している。 内閣法第13条第2項で、内閣官房長官には国務大臣を充てることとされているが、第23条で主務大臣は内閣総理大臣であるとされており、厳密には内閣官房長官は閣僚ではあるが国務大臣であるとまでは言いきれず、総理大臣の副務大臣の色合いが強い。本来、国政調査権は行政へ乗り込んで行って捜査したり証拠物を押収する権利ではなく、憲法第62条に基づいた証人喚問や証拠提出令状に留まる。

国政調査権の侵害事件、尖閣諸島での中国漁船と海上保安庁の巡視船が衝突した事件に関して、当時の官房長官が証拠提出を拒んだことで参議院からの問責決議により罷免されている。

 

 

赤ペンギン
作家:アカシック ディスティニー
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