私の病気は、悪魔の病気です。しかし、純粋さを守るための悪です。傷ついて傷ついて生きてきたから、自分を守るために、悪くずるくなって発病したのです。私の主治医の先生と、訪問看護士の所長さんはそのことを知っています。
私は、許せないと思った人を、次々と攻撃していたことがあります。そのことを主治医の先生は激しく怒りました。私は泣きながら先生を待っていたのですが、先生は、目も合わさずエレベーターに乗っていきました。もう終わりだと思った私は、先生の診察室には二度と入らないと決め、院長先生に主治医を代えてもらおうとしました。
しかし、次の週の月曜日に、先生は私の病院内の仕事場に現れました。私はそれを見てこそこそと逃げ、外に出ました。その日、私は涙が止まりません。次の日も先生は現れました。私は先生に最後のあいさつをしました。しかし、先生は、「診察で言って下さい」と一言。もうあの冷たい目ではなく、先生の優しい目でした。私はうれしくて、また少し泣きました。あんなに心で愛し合ったのに、私が右目をつぶしかける自傷をしたのに一度も見舞いに来ず、メールにも一度も返事がなかった誠意のない悪い男の醜い精神が、浮き彫りになりました。そして、もう一つ。私が先生を心から信頼していることを本音で喜んでくれる、先生の親友の所長さん、所長さんが私は大好きです。所長さんは、先生にもう一度診察を受けると言ったとき、本当に喜んでくれました。何人ものまわりの誠意ある人を見て、私は本当に善を心に持つ人とそうでない人の違いがわかりました。Uさんへの気持ちは淡雪のようにあとかたもなく消えていきました。