憎しみがとけるとき

故郷を追われて

私はある、家庭のある人を好きになってしまいました。しかし、不倫ではありません。心が通じ合っただけです。そのために、私は奥さんにうらまれ、故郷を追われました。

 

しかし、その奥さんへの長い憎しみがやっととけるときがきました。新しい恋とたくさんの出会いが私を待っていたのです。

 

その前に、私の秘密をお話しします。

私は精神病患者です。そのために故郷を追われたのです。

私の恋は、妄想などではありませんでした。しかし、奥さんとご主人は、事実を隠蔽するために、私の病気を利用しました。ショックを受けた私は、家出をして、自傷しました。

岡山のホテル

岡山のホテルでの出来事です。私はたくさんお酒を飲み、壁に頭を打ちつけて救急車で運ばれました。しかし、精神病薬を飲んでいない状態で、お酒を飲むなど、精神病患者にはあってはならないことなのです。私はすぐに頭と目を調べられ、精神科に搬送されました。

 

そこで、私は生死の境をさまよいました。手をしばられ、何もない部屋に閉じこめられ、おむつをはかされました。

 

K先生

その病院で私の主治医になってくださったのは、K先生でした。私は先生に頼みました。退院してこの病院にかかりたいと。しかし、先生は、私の郷里の、O市の、もとのかかりつけの病院に私を転院させました。

 

そこで、私の人生で、いちばん大事な出来事が待っていました。

先生の怒り

私が外来でかかっていた、もとの主治医の先生は、たいへん怒りっぽい先生でした。先生は激怒して言いました。「君は重症だ。五年は入院してもらう。」

 

しかし、ふとんをかぶって部屋でうずくまる私に、先生は優しかった。「君には好きな人がいたのだね。」と先生は言いました。

 

三か月後、絶望が私を待っていました。

karinomaki
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