私は一つ、お守りを持っています。ヘアピンなのですが、どうしてそれをお守りだと思うのか書きます。
私は、ある人に、人生の宝物を全て捨てられました。心がめちゃくちゃになりました。そんな時、偶然、デパートでそのピンを見て、どうしてもこれを買わなければならないと思いました。
そのピンは、海の貝殻がついていました。私は、運命的な何かを感じました。
たとえ宝物を全て失っても、やり直せる、と思いました。なぜなら、死んであの世に行ってから、この世では結ばれないことが確定している人と、南の海に行くことを、心の支えにして、孤独な人生を生きているからです。
この世界で、大切なものは、たくさんあります。でも、全て失っても、生きていけると思いました。好きな人とこの世で結ばれなくても、生きていける気がしました。夢と希望さえ失わなければ・・・。
それに気がついたのは、そのピンに貝殻がついていたからでした。だから、運命だと思いました。
もし、大切なものを失ったのなら、この世界でそれの生まれ変わりに出会えるはずです。
生まれ変わり、というのは、あの世の存在を証明するものです。
だから、捨てられても、燃えてしまっても、あなたが大切と心から思ったのなら、それは、間違いなく、天に昇っているのです。また会えるのです。
私は、この前、断捨離をしました。その時、大切にしていた、捨てられずにわずかに残っていた古い宝物を、紙に包んだりして、またたくさんの折り鶴と一緒に捨てました。
リセットが必要で、大切なものは、その人に捨てられたのかもしれません。その人も、「リセット」と言いましたが、私が捨てられたあと泣いたのは、その人が私の宝物を、ゴミだと思って捨てたからでした。
役目が終わったものは、心から「ありがとう」と言って捨ててあげて下さい。それが、断捨離です。
私の、かわいそうな、捨てられたものは、貝殻のピンに生まれ変わって、「南の海で待っているよ」と言ってくれた気がしました。
お守りとは、心を大きくいやし、傷を埋めてこそ、守る力があるのですね。もうこれ以上傷つかないように。傷つく体験を経てこそ、お守りは力を持って私達と出会えるものかもしれません。