ぱるす通信〜こころのくすり箱〜第27号

ぱるす通信〜こころのくすり箱〜第27号200の有料書籍です。
書籍を購入することで全てのページを読めるようになります。
ぱるす通信〜こころのくすり箱〜第27号を購入

熟年の楽しみ〜トレッキング〜( 1 / 1 )

山の楽しみ方と装備について

C01_illustration.gif

 インターネット上の無料コミュニケーションツールとして、Facebookが人気を集めている。自分や友人・知人がFacebookを利用していること、その上でFacebookの「友人」として承認し合うことが前提だが、公開日記的にコメントを入れると、互いの動向がタイムリーにわかる。年に一度、会うかどうかという友人のコメントに、「74歳の女性と65歳の男性をガイドして、甲武信岳テント泊登山から無事に下山」との報が入ってきた。彼は山歩きガイドとして、年間500名ほどを、花を愛でながらゆっくりと自然の中を歩くツアーへと案内しているという。

 いくつになっても山歩きが楽しめるのは素敵なこと。そこで、登山専門店ICI石井スポーツ勤務、NPО日本トレッキング協会の常任理事である越谷英雄さんに、熟年トレッキングの楽しみと注意点などを聞いてきた。(服部)


熟年はトレッキング上手

 日本は自然の豊かな国で、地形もバリエーションに富んでいます。山歩きにはいろいろな楽しみ方があるので、熟年も体力の衰えであきらめることなく、自然に親しんでもらいたいと思います。

 トレッキングとはテーマのある山歩きのことです。そのテーマも、写真撮影、花や木々、野鳥観察、雪上の動物の足跡観察、健康増進など、いろいろに設定できます。歩くことだけに夢中になる傾向が強い若年層に比べて、花や木々に目を向ける余裕のある熟年は、トレッキング上手と言えるでしょう。

 体力や脚力にあったトレッキングコースを選び、無理なく楽しんでください。そのためにも、安全に歩くためにも、しっかりとした知識のあるガイドを選ぶことが大切です。


靴選びは最重要ポイント

 ハイキングも、トレッキングも、登山も、高低差のあるところを歩くことに変わりはありません。軽いハイキング程度と思っても、安全に快適に歩くためには靴選びが最も重要です。

 熟年ほど楽でありたいと、初心者向けの柔らかくて、ゆるい靴を好む人がいますが、これは間違いです。

 山歩きでは、事故の85%が下りで起きています。靴底が柔らかいと、下りで身体を支える力がなく、筋力でバランスをとろうとするために疲労しやすくなるのです。

 長時間歩いていると膝が痛くなるという場合も、必ず原因があり、靴が合っていないことが多いものです。

 筋力が落ちてくる熟年ほど、フィット感がある、性能のよい靴を選ぶことです。

 「足が当たって痛いので、靴をのばして欲しい」という人の足を見ると、靴がゆるいために下りで足が前へ滑り、指先が当たっているケースもあります。また、土踏まずのアーチの形には個人差がありますが、ハイアーチであれば足指の付け根とかかとに負担がかかり、痛みが出るケースもあります。加齢とともにアーチが下がってきてベタ足になる傾向もあります。外反母趾、偏平足など、足の形に合わせて、インソールを活用するとよいでしょう。

 靴選びは、登山専門店でアドバイザーに、これまでの山経験やこれから行きたい山などを伝えることがポイントです。フィット具合を診断してもらいながら、選ぶことをおすすめします。

 信頼できる専門店の目安としては、熟練者が納得できる3〜4万円クラスの品揃えがあることでしょうか。

 壮年期の体力を過信せず、軽くて性能がいい、安全な靴に買い換えることや、磨り減った靴底を貼り変えることも考慮してください。


越谷英雄【こしがや ひでお】

昭和22年(1947年)、群馬県生まれ。谷川岳登攀350回以上。ヨーロッパアルプス、グリーンランド、シベリアなど遠征経験も多数。極地を含む装備コーディネートの第一人者。現在、ICI石井スポーツ部長。椎名誠のあやしい探検隊メンバーでもある。著書に『山を楽しむ中高年の山歩き』(ナツメ社)、『はじめての山登り』(地球丸)など。


*********************************************************************************


秋のゆっくり山歩き

C01_yamazaki.gif

 熟年カップルを甲武信岳テント泊でガイドした山崎茂治さんの、秋の日帰りツアー(初心者向け)に参加しよう。

 靴などの装備については、アドバイザーがいるICI石井スポーツ登山店(神保町)がおすすめ。





紅葉の大菩薩嶺ハイキング 10月23日(日) ガイド:山崎茂治


新宿7:00 → 貸切バス → 上日川峠 ・・・ 雷岩 ・・・ 大菩薩嶺 (2057m) ・・・ 大菩薩峠 ・・・ 上日川峠 → 新宿18:30頃

新宿駅からバスをチャーターして登山口まで行きます。登山口が標高1700mにありますので、標高差350mと百名山の中でもとりわけやさしい山です。紅葉の中、富士山を眺めながらの稜線歩き、天気がよければ東京湾まで望めます。普通に歩けば3時間ですが、初心者の方向けに4時間半くらいかけて歩きますので、安心してご参加ください。


参加費 7,000円(バス代、道路代、乗務員経費、ガイド料、保険代等)

詳細問い合せわせ先

090-9847-6884(山崎)

shigeharu_yamazaki@hotmail.com

ぱるす通信〜こころのくすり箱〜第27号200の有料書籍です。
書籍を購入することで全てのページを読めるようになります。
ぱるす通信〜こころのくすり箱〜第27号を購入
スリージャグス
ぱるす通信〜こころのくすり箱〜第27号
0
  • 200円
  • 購入