趣味じゃない生業でもない「ゆるい起業」

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ゆるい起業家になるのなら、嫌なことは絶対にしてはいけない

 ゆるい起業は自分が好きなことを自分自身で納得できるようにマイペースで進めていくことが、それが長続きするポイントです。そういうビジネスは自分の好きにできますから楽しいですし、その楽しさが長く続けられる理由のひとつになります。

 だからたとえ気持ちが揺れても嫌なことまで仕事として引き受けないように心がけなければなりません。

 嫌なことというのはさまざまです。最初から嫌だと分かるものは、最初から手を出さなければいいだけです。しかし気付かずに嫌なことをしなければならなくなる落とし穴も事業の中では遭遇してしまいます。

 よくある嫌なことに手を染めがちなパターンは、誰かと組んで事業にかかる場合です。誰かと組むことは、もうその時点で自分の好き勝手に事が運べない可能性が非常に高くなります。私も会社を辞めてから今までにいくつも協力者とゆるい事業に手をつけましたが、その中で失敗したものは、私のやり方に協力者が着いて来なくなったか、協力者のやり方に私が反発を感じるようになった、このどちらかです。

 なかなかゆるい起業を共同で行うことは容易ではありません。お互いに話し合って分かったつもりでも、やっぱりどこかで考え方のズレが出ます。だから私はゆるい起業はたった一人で実行する他ない、と考えるようになりました。一人であれば相談することも無く、対立することもありませんから単独で好きな方法で好きなことを続けられますから、嫌なことを引き受けることが少ないです。

 しかし、事業にはどうしても相手が必要だし、たとえそれがネットの中にあっても相手は存在するので完全に一人でビジネスはできません。ネットビジネスがその例で、ネットビジネスではその運営会社のルールや運営方針がありますから、こちらの好き勝手にできないことも多々あります。でもネットビジネスは多くのサービスから選んで使えるので、嫌なことがなるべく少ないように絞り込んで使うことができます。

 私の場合は文筆が事業ですが、決まった方針に従って文章を書くことは、あまり気が進みません。これは絶対嫌ではありませんが、できるなら自由に思うことを記事に表現したいので、クラウドソーシングで決まったテーマで文書作成をする仕事は受けません。自由に記事を書いてそこに広告を貼って収入を得る式の事業が好みです。だからなるべくそうのようなサービスをネットで選んで使います。

ゆるい起業でも、まったく儲からない事業は、名誉ある撤退を

 前述したように税務署に開業の届け出を提出したら個人事業主になれますから何も難しいことはありません。しかし個人事業主になるのは簡単ですが、続けていくことは簡単ではありません。儲からないとヤル気が著しく低下するから、好きだったことが興ざめしてしまい続かなくなるのです。

 趣味は最初から儲からないことはふつうなので、儲からなくて興ざめすることはないと思いますが、事業を意識すると儲からない状態が続き、努力しても無駄だと思ったら、たとえそれが好きなことでも興ざめが起きます。

 私は以前にイベント企画の仕事に参加しました。最初の二年間はその仕事には報酬がつきました。多額ではないけれど報酬があり、もともと企画することが好きだったので三年目も参加しましたが、途中でそのイベント企画の仕事が無償のボランティアに変わっていることを知らされました。去年までは財源があったけれど、今年はそれが無くなったので昨年までのように報酬を支払うことはできなくなったというのです。私はその年を最後にこの仕事から抜け出しました。これは儲からないと分かったから興ざめした一例です。

 他にも、普段投稿しているブログ記事も、アフィリエイトプログラムという広告収入が得られる仕組みを導入しており、毎月それから広告収入が得られるのですが、この広告収入が上がると俄然やる気が湧いて来るし、反対に下がるとやる気まで下がってしまう事業の困難さを感じてしまいます。

 ふつうはこのようなことで事業に影響してはいけないのですが、ゆるい起業の場合はよほど太い神経の持ち主でなければ気分に影響されてしまいます。逆に言うとゆるい起業は楽しさと収入を両立させようとしますから、儲からない場合でも楽しさを欠かないで事業に取り組むためにどうしたら良いかは個々人の大きな課題になります。

 私の場合は仕事のチャンネルを多くしています。たとえばブログは多彩なテーマについて別のブログをいくつも立ち上げ、やる気の出るブログを毎回変えて記事をアップするようにしています。このやり方が満点ではありませんが、これも自分で工夫して見つけたゆるい起業を続けるためです。

 だから私は、ゆるい起業は、何をするかを考えるのではなく、どのようにするかという戦略を考えることが上手く進み易いと考えます。
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大庭夏男
作家:大庭夏男
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